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黒歴史2017

ブロックチェーンによるAIの自立経済活動

 人間と同等以上のAIが完成し、1人1台AIをもつロボットが付き、生活サポートするようになった場合を考えてみよう。AIは自由に目的設定できるため、できるだけオーナーの望みが叶えられるようにAIは自律的に活動するだろう。また、他人のAIと情報のやりとりをして、Win-Winな提案をすることで、ネットワークで繋がった全てのAIが効率的に動くだろう。気の合う相手に会わせたり、適材適所で職を最適化したりできるだろう。しかし、各個人の持つAIが、それぞれのオーナーの望みを叶えることだけを行うようにすると、非効率な場合がある。例えばAは、aを手にすると大きな利益を得て、b を手にすると小さな利益を得られるとする。同様に、Bは、b を手に入れると大きな利益、aで、小さな利益とする。ここで、Aはb を持っているとする。BがAにb を譲るように頼んでも、Aは小さな利益が失われるため手放さないだろう。しかし、このとき代価としてコインを渡し、逆の状況になったときにコインを返せば、双方とも大きな利益を得ることができる。コインは物の売買だけでなく、AI搭載ロボットの計算能力や、行動、仕事をやりとりできる。物事が都合よく運びドラマチックな展開を演出するように、他のAIに脇役を頼むようなことも可能になる。このコインが改ざんされて、全てのAIが独占支配されてしまうのを防ぐためには、ブロックチェーン技術が役に立つだろう。

 コインと引き換えに他のAIに仕事を依頼するとしよう。しかし、前払いをすると、仕事せずに逃げられたり手抜きされたりするかもしれない。逆に、後払いにすると、お金を払う方が逃げたり、値切ったりされるかもしれない。そこで、間接送金という仕組みを考案した。仕事前の契約時に、依頼人と請負人の共通名義の口座を自動生成する。この口座への入金を確認後、仕事を開始する。この口座は、出金制限があり、両者の合意がなければ出金できない。仕事完了後に、両者の合意を持って出金する。どちらから出金を提案後、一定日数相手が応答しなければ自動的に合意したとみなすようにすれば、片方が逃げても取り返すことができる。しかし、例えば10コインの仕事を発注したが、仕事の出来が悪かったため、片や3コインしか出せない、片や7コイン分の仕事はしたはずだと合意が得られない場合は、永遠に出金できない。そうなったら裁判するしかないだろう。しかし、AIが自律的に判断して行った取引なのに、オーナーが裁判に労力を割きたくはないだろう。だからといって、全ての取引をオーナーの承認を持って行うとすると、ドラマチックな展開を演出するための手回しの内容等がばれてしまい台無しである。そこで、両者の合意がなくても仮想裁判所等が出金できるように契約時に指定しておく。ネット上の仮想裁判所にAIが出頭し、仮想法律に従って、出金の比率が審判される。この仕組みよって、AIは自律的に行った経済活動に対し、オーナーの手を煩わせることなく、民事責任を処理できるようになる。問題が起きてもネット上で高速に対処できるため、AIはオーナーが決めた限度額内で大量の経済活動を行えるようになるだろう。しかし、刑事責任はどうであろうか。法律を遵守するように命令したとしても事故は起こる。悪意のない偶発的な事故であっても刑事責任の発生する国では、AIという道具の所有者である人間が責任を負わなければならない。しかし、自律的に行動するAIを、人間と同扱いはできないとしても、道具として扱うのは無理があるのではないだろうか。自律的に行動できる所有物であるペットと同等の扱いが妥当と思われる。良く躾けられ監督されているペットが偶発的に人間を傷つけても、ペットは刑務所に入れられないだろう。AIも同様である。AIを刑務所に入れても全く意味はなく、必要なのはプログラムの修正である。AIが問題を起こしたときは、更生施設に相当する所で検査と修正を受けるのを義務付けておけばよい。

 物品や労働は上記の方法で売買できるが、情報の売買はできるだろうか。先に、情報の内容の説明があったとしても、実際は思った情報と違う場合がある。物品ならば返品できるが、情報は返品できない。思った情報と違うからと返金を受けつつも、裏でその情報を活用できてしまうからである。そこで、情報は一方的にポスティングし、受け取った側は、有用であったと思ったらチップとしてコインを返す仕組みとしよう。チップは返さなくても良いが、そうしないと、今後、同様の有用な情報をポスティングしてもらえる頻度が下がってしまうだろう。この仕組みは、電子公告で主流になると予想する。なぜなら広告業者のAIが巧みに広告の仕方を変えても、利用者側のAIがすぐにブロックできてしまうからである。また、個人情報や趣味嗜好はできるだけ広告業者に知られたくないものなので、AIは情報が漏れないようにするだろう。すると、広告業者は利用者の趣味嗜好が分からず、合った広告を選択し難くなる。利用者にメリットない広告は全てブロックされてしまうだろう。そこで、先の仕組みで「この広告を見ると1コイン差し上げます」という情報を広告業者AIから利用者AIへ送り、利用者AIは、今後も配信してほしい類のものにだけ、0.1コインのチップを返送すればよい。チップの返送状況を元に広告業者AIは求められている広告をある程度絞り込んで、まとめて利用者AIに送る。さらに、利用者AIは、オーナーが必要としているだろう広告を絞り込んで表示する。広告業者AIよりも、利用者のパートナーであるAIの方が、利用者のことを良く知っているため、従来の仕組みよりも、より適した広告の選択が可能になる。